【1】変化

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「俺がなんて言ったか、覚えてるか? 」 「「三匹です……」」 「ちゃんと覚えてるな。で、これは? 」 「「五十八匹です……」」  仁王立ちする俺の前に、正座で項垂れる二人。ノアとアオイ。  その横に積まれた大量のサンマ。ちゃんと五十八まで数えたのは凄いな。 「ったく。こんなに沢山、冷蔵庫に入らねえぞ……」 「責任持って全部食べます……」 「わ、わたしも……」  正座のまま、一匹一匹飲み込んでいくノアとアオイ。どちらも「噛む」ことをしないのは、生き物の時の名残だろうか。  ハンドウイルカは、一日に十五キロほど餌を食べると聞いたことがある。サンマは一匹で百五十グラム程度だから、食べる分には大丈夫だろう。それに今日は…… 「ねね? ユナも食べていい? 」 「あぁ。好きなだけ食ってくれ」  ユナもいるしな。  二匹のイルカと一匹のカツオドリが、サンマの山を食べまくる。結構早いペース。俺の分も残しておいてくれよ。 「そういえばカイさん、こちらの方は……? 」 「ユナだよ? 『氷の海』から来たよ? 」  ……氷の海?
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