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「俺がなんて言ったか、覚えてるか? 」
「「三匹です……」」
「ちゃんと覚えてるな。で、これは? 」
「「五十八匹です……」」
仁王立ちする俺の前に、正座で項垂れる二人。ノアとアオイ。
その横に積まれた大量のサンマ。ちゃんと五十八まで数えたのは凄いな。
「ったく。こんなに沢山、冷蔵庫に入らねえぞ……」
「責任持って全部食べます……」
「わ、わたしも……」
正座のまま、一匹一匹飲み込んでいくノアとアオイ。どちらも「噛む」ことをしないのは、生き物の時の名残だろうか。
ハンドウイルカは、一日に十五キロほど餌を食べると聞いたことがある。サンマは一匹で百五十グラム程度だから、食べる分には大丈夫だろう。それに今日は……
「ねね? ユナも食べていい? 」
「あぁ。好きなだけ食ってくれ」
ユナもいるしな。
二匹のイルカと一匹のカツオドリが、サンマの山を食べまくる。結構早いペース。俺の分も残しておいてくれよ。
「そういえばカイさん、こちらの方は……? 」
「ユナだよ? 『氷の海』から来たよ? 」
……氷の海?
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