【1】変化

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「へ? カイがヒトだったの? 」  俺の正体を明かしたら、ユナは拍子抜けしたように答えた。 「ユナ、ヒトってもっと大きくて、ムキムキで、サメみたいな歯が生えた生き物だと……? 」  どんな生き物だよ。 「だって、ヒトの噂凄いもん? 大型のスイカイと三回も戦って、熱帯雨林の争いにも参加して、しかも『守護者』のアカバネサマとも知り合いなんでしょ? 」  何一つ間違っていない。 「そうだよ、カイは凄いんだよ! ……ふぅ」  ノアよ、お前は消化に専念しろ。 「でねでね? ユナ、ヒトにお願いしに来たの? 」  お願い? 「『氷の海』で見つけたの? これ、ヒトのものでしょ? 」  ユナが差し出したもの。小さな手の上に乗った、黒くて小さな四角。 「これは……」  濁った灰色の画面、丸いボタンスイッチ、無数の穴。そして書かれた「調査隊専用」の文字。 「ボイスレコーダー……? 」
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