【1】変化

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 色鮮やかなカキを三つ取り、再び崖の前に立つ。さて、どうやって戻ろうか。  さっきは無茶なジャンプをした結果、死にそうになってしまった。今度は安全な方法を考えないと。  だが、よく考えたら随分と跳べたものだ。八メートルは無理でも、七メートル九十センチ程度は行けた。今までの俺だと信じられない距離。  思えばこの「島」に来てから、随分と体力が上がった気がする。特に小石平原で倒れてから。あれ以来転ぶことも減ったし、体も疲れにくくなった。何があったかは分からないが、出来ることが増えたのはいいことだ。  後でノアと競争でもしてみようか。以前やった時は呆気なく負けたが、今ならいい勝負になるかもしれない。 「にしても、無理はできないよな……」  カキを持ったまま跳べば、先程よりも飛距離が落ちるのは確実。「守護者」の少女も去ってしまったし、どうするか…… 「ん? どうしたの? 」  後ろから声。今度は誰だろうか。 「綺麗な木の実? ユナにもくれる? 」  白と黒が混ざったショートヘア、白いシャツに黒いベスト、真っ白な長ズボンの先は黒いブーツ。俺の半分ほどの小さな少女が立っていた。
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