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食堂に全員を集めてディナーは開かれました。
大きなテーブルの上座に社長さん、入口から見て左側には奥からキラキラさん、かつらさん。そして右側が奥からメガネさん、手袋さんです。この人たちは人間です。
もちろんメイドさんはにこにこ配膳係。料理を配りながら僕の心に太陽のかおりのような癒しを与えるのにも余念がありません。相変わらず笑顔のパワーがやや強めですけど。
料理は中華。スープや前菜が食卓を我が物顔でのさばっています。
それをむさぼる微妙に個性的な男達。……なんか描写に僕の荒んだ心が投影されちゃってますね。癒し多めでお願いします。
とにかくメインの前に、みんながいったん食べるペースを落としたのを見計らって社長さんが口を開きました。
「今日が君らにとって人生の分岐点になるかもしれない」
いきなりの爆弾発言ですが、僕含め反応はそれほど大きくはありませんでした。
社長がこの別荘に招いた人数などから、みんなその程度のことは予想できていたからです。そして僕は最初から知ってます。案内人なので。
ただ、確かにその瞬間に緊張感が食堂を包んだのは、この場の誰もがはっきりと感じとりました。
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