問題篇2・事件発生まで

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 それからメイドさんがせっせと料理を運び続けている間に、社長さんは自分の発言の説明をしました。  とりあえず重要なのは、このあと一人ずつ社長さんと会って、それぞれの進退について言い渡す、ということです。  また、その際には社長さん自ら客室に訪問して、それから社長さんの部屋に移動してから話をする、という形式で行うそうです。  メイドさんを呼び出しに使わないのは、この後の片付けがあるため。  そして明日の朝にはキラキラさんとメイドさん以外は帰るように、とのこと。  手袋さんは社長さんの車を運転してきましたが、社長さん達が帰る日に迎えに来い、とも。  要はこの別荘を訪れたのは社長さん親子にとってはただの休暇で、手袋さん達三人の進退についての話はついで、ということらしいです。  もちろん三人はそれなりに不満を覚えます。ここまで来るのに時間もかかっているわけですし。  しかし、口には出しません。というか、口に出すわけにはいきません。相手は社長さんですからね。  ちなみに社長さんは社員への労いはこの夕食を出すだけで充分だと思っています。これをブラックと捉えるかどうかの判断は皆様に丸投げします。  ついでにキラキラさんは一連の話は全く無視。メイドさんという太陽に向かって走り出そうとしているみたいです。  ある意味そこまで嫌いじゃない感性ですが、引き際を知らないと痛い目に合うというのはよくある教訓話ですよね。
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