11人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
今は、この向かう車の中で親子の会話が繰り広げられていて、それを手袋さんが黙々と運転しながら聞かされている状態です。
退屈です。手袋さんも僕も。
つまらないので意訳します。
『しっかりしろ!』
『やだよー』
以上です。どっちがどっちかは、たぶん皆さんのイメージ通りだと思います。
山道。日が傾いてきた時間帯。車は狭い道を車体を揺らしながら安全運転で走ります。
そしてしばらくすると、開けた場所に出ました。別荘です。
大きなその別荘のそばにはすでに車が一台停まっていました。広場のようになっている木のない場所の片隅です。
「家政婦を先に行かせてある。彼女だろう」
社長さんがそう言ったとき、送迎車は先にあった車の横に停車しました。
最初のコメントを投稿しよう!