問題篇1 登場人物

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 さて、温泉宿ですが、二階建てで客室は四つのみの、小さい宿です。そのかわりに露天風呂が非常に広く作られています。  ナビちゃんは女将さんだか仲居さんだかの丁寧な挨拶に迎えられて、荷物を運んでもらって部屋に案内されました。  この人は、間をとってメイさんと呼んでおきましょう。もちろん本名とは関係ありません。  メイさんは二十代後半といったところの年齢の女性。穏やかそうな雰囲気の物腰と口調。今は仕事中なので職業的なアレの可能性は充分にありますけど。  彼女は部屋や宿の簡単な説明を終えると、部屋から退出していきました。次に来るのは夕食のころとのこと。    ともあれまずは一段落。  ナビちゃんが荷物をごそごそしている間に、僕は部屋の様子を描写していきましょう。  造りはまさに旅館といった様相。畳に四角いテーブル、座椅子。押し入れには布団、それほど古くないテレビ。  障子で区切られた向こう側には狭い空間に小さなテーブルとソファ。そこから大きな窓越しに手入れの行き届いた庭園が見えます。  あとは、トイレとクローゼットが玄関部分の前の廊下にあります。  部屋の中に物は少ないですが、冷蔵庫、内線のみの電話、それに浴衣が畳んで置いてありました。
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