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問題篇3 捜査と情報提供
――朝ですよー、ナビちゃん。
「昨日と同じ時間に動くには、もう起きてなきゃ駄目だよね……眠いけど」
ついさっき起きたナビちゃんがいるのは部屋のベッドの隅。信者の白い服に着替え終えた状態で座っています。つまりこのお話は健全です。不本意ながら。
「いやグロは健全なの?」
――健全なグロがあるなら健全なエロくらい認められるべきではありませんか?
「うるさいもう」
――怒らないでください。怖いので。
「ならそういうこと言わなきゃ……」
――それでは僕の存在意義がなくなっちゃうじゃないですか!
「そっちが怒っちゃってるし。……あんたってほんと、吹けば飛ぶような存在なんだね……」
確かにすごく簡単に存在意義が揺らいでしまっている気がします。
「夏でも長袖、冬でもこの薄さ……この服、中途半端じゃない? 室内なら気にならないけど」
この白い服を着用するのがここのルールですが、ナビちゃんなどの一般信者は基本的に金属類は身に着けてはいけないことになっています。まあ別に金属探知機を使われたりはしませんが。ただし幹部は例外。といってもそんな派手な人はいませんけど。
さて。
――夜が明けて、普通の流れだとここからいろんな人に話を聞きに行ったり現場とかを調べることになります。
「だよね。……今のところ、聞いてた話より容疑者っぽい人の数がだいぶ少ないし」
――まあ本来なら皆まだ犯人候補ではあるんですけどね。
「あだ名もない、何の特別な役割もない人が犯人っていうのはさすがにこのシリーズ的にね」
そういうわけなので、このお話では犯人候補は問題篇の中でちゃんと言います。
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