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トイレの中には細工の跡はありませんから、例え三人うちの一人が糸やロープを持ってきていたとしてもそれは使われていません。そして、シーツが死体を覆い隠していた理由もわからないままです。
逆に言えば、シーツの役割だけが不可解なのです。
発見時、シーツは完全に死体を隠していました。これを犯人が行ったことは明らかですし、また、隠す意図があったことも明らかです。別の何かをした拍子にそうなった、ということはあり得ません。それなら完全に隠れるわけがありませんから。
つまり、犯人はそうやって死体を隠す必要があった、ということになります。
では、誰から隠したのか。
トイレの個室の鍵は閉まっていましたから、他の客ではありません。また、店員にはこの程度のことで見つからないわけがありません。
そのときはまだ鍵はかかっていなかった可能性は普通なら確かにありますが、トイレにはそれぞれ一回ずつしか行っていませんし、それなら被害者が鍵をかけたと考えるしかなくなります。しかしそれなら被害者がシーツで覆われているはずはありません。
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