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最後は四十半ばの男。やたらと痩せ細っている。膝の間にリュックサックを置いていて、簡素な料理を注文して食べている。髪には白いものが混じっているが、老いた印象は与えない。
他にも店員がいるが、今回は数には含めない。
四人の客は互いに会話もなく、離れて座っている。
窓の外は光が少なく、車一台通らない。暗く静かな田園風景。
不意に一人が席を立つ。
四十代半ばの痩せた男。
彼は店の奥、トイレに向かった。
中略。
彼は死体となって発見された。
さあ、犯人は誰でしょうか?
……すいません。
もちろん分かるわけありません。というか何も分かりません。
ですから、続けます。
発見された場所はトイレの中。見つけたのは店員。
他の客が全員帰り人がまったくいなくなった午前零時。
いつまでたっても出てこないのを不審に思って見にいったものの、呼んでも返事がなく、鍵がかかっていたためトイレの上部の隙間から中を見ると不可解なものがあった。
それが死体だった、というわけです。つまり、なんと、密室です! ……割と驚くことでもありません、昨今。
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