推理小説案内人 ―小さな密室ガイド―

ガイドライン

　読者の皆様、はじめまして。

　私、当小説の案内人をさせていただきます、ガイドと申します。このたび、私の初仕事となりまして、多少の緊張もありますので、ちょっとしたアレとかについてはご了承ください。

　それで、僕の仕事ですけど……やっぱり説明が必要ですよね。

　……では、ご説明致します。

　本作はいわゆるフーダニット、『犯人当て小説』です。

　そして探偵役はそう、あなたがた、つまり読者の皆様なのです。

　本作は問題篇と解答篇に分かれております。私の仕事、案内というのは要は状況説明とか推理のヒントのことです。

　僕の地位が今までまったく見向きもされなかったのは、ただ必要ないからなんですよね。それに僕、この仕事初めてだし。だってそうじゃないですか、僕なんていなくても、作者がやればいいですし。っていうか登場人物に喋らせれば……って愚痴を言ってもしょうがないですね。

　……ともかく、私も仕事を与えられたからには最大限の努力をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。