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「どっちかと言えば、私は下津くん…… 」
最後の方を濁しながら話す比茉里ちゃん。
とんでもない物を発見したように、私と明智さんは目を見開いた。
下津くんの名前が出てきて、正直驚いている。
「マジかー。 まさかのこっちで被りかーい 」
コーヒーを飲み苦々しく笑うと、明智さんは「あつー」と頬を手で仰ぐ素振りを見せた。
その様子を見ていた比茉里ちゃんが、ぽかんと口を開けて絶句している。
私に協力して一緒にいるのだと思っていたけど、この反応はかなり下津くんに好意を抱いているように見受けられた。
いつから気が合ったのだろう。
全く気付かなかった。
「ひまりんさぁ、樹のどこがいーの? そこんとこ詳しく 」
「小雪ちゃんこそ、そこんとこどうなの? 」
「ちゃん付けはやめて。 痒いから 」
なんだかんだ下津くんの話題で盛り上がっているようだ。
きっと、この女子会の趣旨を忘れてるに違いない。
思わずクスッと微笑むと、瀬崎さんがわざとらしく咳払いをした。
「余裕そうな顔ね。 もしかして、何か進展でもあった? 」
ふんっとした態度で頰杖を着き、瞼が下がり気味の艶っぽい目をこちらに向けている。
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