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「さっきググってみたけど、結構ランク上位の旅館じゃない。 あんたたち、お金大丈夫? 」
「大丈夫じゃないかも……瀬崎さんは、大丈夫そうだね 」
「さすがに、これはアウトよ。 なんで高校生の分際でこんな良い旅館を予約したのか、彼の神経を疑うわ 」
素の性格をみんなに知られてから、瀬崎さんは開き直ったように毒舌が絶好調だ。
そして、彼と下津リゾートとの関係には気付いていないようで少しホッとした。
彼の両親のご好意で、ここは特別に無料で泊まれると聞いていた。
こんな敷居の高そうな場所に泊まる事なんて、これから先ないかもしれない。
「知り合いから貰った宿泊チケットが余っていた」と、下津くんから説明している。
彼の家庭事情を知っているから少し胡散臭く聞こえたけど、何も知らない彼女たちは意外とあっさり受け入れていた。
温泉は「女神の湯」と題されたビーナスや天使が天井に描かれてた神殿のような造りの空間と、「天女の湯」と言う乳白色の湯が特徴で天女の羽衣をイメージさせる美しい浴槽があった。
神秘的な空間で疲れを癒し、私たちは羽を伸ばした。
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