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episode.1 出会いは突然に
澄み渡る青い空が印象的な初夏。
白い綿飴のようにふわふわと浮いた雲は、手を伸ばせば掴めそうで届かない。
それは、少し恋と似ている。
空泉高等学校。通称=空高は、県内で3本指に入る特進クラスのある進学校。
特クラと呼ばれる一部の優秀生徒たちによって、偏差値が上がっているのも事実だ。
私、鹿島結奈は、そこの普通クラスに通う3年生。
生まれつき色素が薄い体質で、中学卒業から伸ばしているミディアム丈の髪、瞳の色も淡い茶色をしている。
そのため、小学生の頃から髪を染めしているとよく勘違いされた。
顔が別格に美人と言うわけでもなく、飛び抜けた才能もない平凡な女子高生だ。
学校が終わり、生徒たちで賑わう駅のホーム。
友人の比茉里ちゃんが部活で学校に残っていたため、電車通学だった私は1人で帰りの電車に乗った。
この時間帯の電車は、クロスシートと言って、進行方向と直角になるように座席が配置されている。
前後が向かい合わせになった席が多く、今日は思ったより人が多く感じた。
目の前で偶然に空いた窓側の席へと、私は腰を下ろした。
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