124人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ…… 」
「えっ? 」
突然、向かい席の男子が声を上げた。
思わず彼の顔を見てしまった。
色素の薄い髪色とビー玉のような透明感の茶色い瞳、白い陶器のような肌。
初めて男の子を綺麗だと思った。
その目と触れ合うとすぐに、私は目線を床へ下げた。
「くま…… 」
彼の言葉を聞いて、ふと膝の上の通学鞄に目を向ける。
キーホルダーのチェーンがプツンと取れて、ダフィ・ベアのぬいぐるみが床に落ちた。
慌てて手を伸ばすけど、私より先に彼の手が伸びていてキーホルダーを拾い上げた。
「はい、これ可愛いね 」
優しく微笑む彼は天使のようだった。
そう思うほどに、私にはその笑顔が眩しく見えた。
「ありがとう……ございます 」
頬を染めながら受け取ると、私は恥ずかしくなって再び視線を床に落とした。
最初のコメントを投稿しよう!