124人が本棚に入れています
本棚に追加
「まだ進行形だったんだね。 結奈ちゃん、悪いことは言わないから諦めた方がいいよ。 だって藤波くんって、瀬崎沙絢のことが好きだって噂あるじゃん 」
瀬崎沙絢とは、藤波くんと同じ3年4組の、大人っぽくて学年でも美人で目立つ女子のこと。
「うーん」と、薄ら笑いをして誤魔化してみる。
簡単に諦められるなら、とっくにそうしてる。
校内ですれ違う度に目で追ってしまうのは、まだ気になっている証拠だと思う。
そればかりは、自分ではどうしようもないの。
「悪いけど、私には藤波くんの良さが全っ然分からない。 結奈ちゃんには、他にもっといい人がいると思うんだよね 」
ため息をついて、比茉里ちゃんは面白くなさそうな表情をした。
1年の頃から、藤波くんのことをあまり良く思ってないみたい。
「そろそろ、他の人に目を向けてもいいと思うんだよね。 例えば……ほら、あの特クラの星名湊とかさ 」
最初のコメントを投稿しよう!