episode.1 ビターな出会い

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episode.1 ビターな出会い

始まりは、高校3年の夏。 初夏らしい澄み渡る蒼い空が綺麗な5月のことだった。 私、鹿嶋(かしま)結奈(ゆな)は、空泉(そらいずみ)高等学校、通称=空高(そらこう)に通う高校3年生。 空高は地元でも優秀だと2番目に名前が上がるトップクラスの高校で、特進クラスがある数少ない進学校だ。 生まれつき色素が薄い体質で、中学卒業から伸ばしていたミディアム丈の髪も瞳の色も淡い茶色をしていた。 肌はどちらかと言えば桃よりの色白で、156㎝に42キロと標準体型。 顔は別格に可愛いと言うわけでもなく、まあそこそこ可愛いと言われるそこら辺にいるような平凡な女子高生だ。 電車通学だった私は、友達の比茉里(ひまり)ちゃんが部活で学校に残っていたため、1人で帰りの電車に乗り込んだ。 この時間帯の電車は、前後の席が向かい合わせになっていて、今日は思ったより人が多く混んでいるように感じた。 私は偶然、目の前で空になった空間の窓側の席に腰を下ろした。
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