episode.13 twenty-second

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私は職場がある楠で一人暮らしをしている。 帝の家から大学へ通っている湊くんとは、仕事の休みの関係もあって、まともに会えるのは月に数回くらい。 たまに大学帰りに、カフェに覗いてくれることもある。 来週は久しぶりに土曜日がオフの日で、デートの約束をしている。 今月末に湊くんの誕生日が控えているため、夜にちょっとしたサプライズをしようと考えていた。 ベッドの中でラインを返して、気付くとそのまま寝落ちしていた。 約束の当日、「モアの池」で行われる祭りへ立ち寄るため、湊くんは前日に私の家で泊まった。 百鬼(きなり)駅で降車すると、湊くんがこめかみを押さえて立ち止まった。 「頭痛いの?」と聞くと、彼は「う……ん」と曖昧な返答をした。 目を(つぶ)り、何か考えているように眉間にしわを寄せた。
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