episode.2 友達になりたい

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episode.2 友達になりたい

わたあめのような真っ白な雲が沸き立つ空。 5月も中旬に入り、周りは何かとバタバタとし始めていた。 いつもと変わらない日常の中で、私に少しだけ変化があった。 電車を降りて学校へ向かう道のりは、太陽の日差しを浴びた初夏を思わせる気候だった。 「鹿島さん、おはよう 」 「おはよう 」 優しく微笑む星名くんに、私は緊張しながら挨拶を返した。 小さく手を振り友達と前を歩いていく彼の姿を見ながら、私も小さく手を振り返した。 「結奈ちゃん、最近なんか星名くんと急接近じゃない 」 満足そうにニンマリとしながら、比茉里ちゃんは私の腕に絡み付いた。 あのクッキー事件以来、星名くんと少しずつ話すようになった。 挨拶を交わすだけだった日から、廊下で偶然会えば少し話をするようになり、最近はそれ以外でも接点が増えた。 「そんなんじゃないよ。 星名くんは優しいから、気を遣ってくれてるんだよ 」 「ふーん、でも、そんな顔には見えないけど? 」 満更でもない顔でもしていたのだろうか。 私の顔を見て、比茉里ちゃんは少し安堵したような表情をした。 「一時はどうなるかと思ったけど、結奈ちゃんも元気そうだし、ちょっとホッとしたよ 」
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