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つまんだ沈下性の餌を落とすと、上手く口でキャッチするウル。天才か。無の顔で粗食する姿の愛らしさといったらない。
「尊い……まじ尊い」
思わず片手で顔を覆って、ウルの可愛さを噛み締めてしまった。
尚、片手では携帯で録画中だ。
この動画は後でSNSのウル専用アカウントに投稿する予定である。
当初ウルの可愛さを見て欲しくて始めたのだが、今やなかなかな人気である。
やはりウルの可愛さは世界共通だ。
「しかしあれか、あいつらが転入生に入れ込んでるのも、俺がウルに対する気持ちって考えたらわかんなくはねぇか?」
ふと、そんなことを思う。
確かに生徒会などやめれるならやめて24時間ウルの側に居たい。
そう考えるとあいつらにも事情が……
「まあでも、俺あいつら嫌いだしいいか」
残念だが、性格に難があると自覚している身なので他人に優しさなど与える暇があるならウルに与える。
今まではわりとどうでもいい相手だったが、ウルと俺の間を引き裂く奴はみんな滅びればいいと思っている。
「ほんっと早くリコールされてくんねぇかな。……こっちから仕掛けっかな」
そろそろ我慢も限界である。
いやウルの為なら我慢も苦ではないが、さっさと終わらせれるなら終わらせてウルに時間を注ぎたい。
「なーウル」
声をかければ、んー?と背景に浮かびそうなほどに首を傾げるウル。
やっべ、俺のウルがこんなにもかわいい。
守りたい、この間抜け顔。
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