真理の記憶

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 真理は朝食を終えて外出の準備を整えると、定期検診を受ける為、帝国大学病院に向った。自宅からは電車で四十五分。通い慣れた道程だった。  そう彼女は二年前まで、そこに入院していて、命の危機に瀕していた。  大学病院に到着した真理は受付をする前に入院棟の横に在る中庭を訪れた。 「あぁー、変っていない……」  真理は中庭の樹々を見ながら呟くと、一つのベンチに目を停めた。  そして微笑むとそのベンチにゆっくり腰を降ろした。  そこから見える風景は二年前と全く同じだ……。  真理は左胸を右手で押さえてみた。心臓の鼓動がドキドキと聞こえる。 「友也…… 私、元気で頑張ってるよ……」  真理が目を(つぶ)ると友也との出会った時の記憶が蘇って来た。
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