八.
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私たちはすっかり打ち解けていて、もう敬語も使わなくなっていた。 気を遣ってないわけじゃないけど。 助手席に座った私を、紫王さんはチラリと目を横に動かして見る。 「眞王は、君以外に好きな人がいたことがなくてね」 「……十五歳のときも?」 「ああ。その前も。柚菜も知っての通り、優しいんだが昔はもっと内気で……」
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