九.

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『はい。今月、そちらへ伺う日も、いつもは私が送迎しているのですがいらないと言われまして……。紫王様がいらしてくださるとか』  そんな話は聞いていない。  てっきり、三木さんが連れてくるのだと思っていた。 『さすがに、紫王様にそこまでお手間をかけさせるわけには……』  どうすればいいのか悩んだらしい彼女が電話口で心配そうにつぶやく。
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