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三.
紺之宮家は私の家から、近すぎず遠すぎない場所にある。
車だと十五分、徒歩だと三十分といったところ。
山の中……いや、山の入り口のような、塀で囲まれていて、家の周囲には畑、後ろには山! という、いかにも“お金持ちです”なお家。
もちろん……かどうかはともかく、我が家同様に、平屋の日本家屋。
車を家の前でとめると、運転手の三木さんがドアをあけてくれる。
「柚菜様、どうぞ」
「……はぁい」
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