十.

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 私は、叱られて泣く子どものように、ずびずび鼻をすすりながら紫王さんに手を引っ張られて歩く。 「……柚菜さん。私は、敬語がいいです。父とは違う、私のやり方であなたを大切にしたいので」 「はい……」 「柚菜さんは敬語じゃなくていいですよ。やりやすいようにしてくれたら」  私、あなたのお父さんと恋愛関係になりつつあったんだよ。  なのに、なんでそんなに優しいの。
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