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「よし、行きますか」
「はい」
ひとり言のようなつぶやきにも、律儀に返事をしてくれる三木さんは良い人だと思うんだよね。
そんなことを思いながら、背筋をのばして、お腹に力を入れて。
門を抜けると、玄関までの石畳を歩く。何メートル歩かせる気なのか。うちよりは短いのが救い。
「お、内宮さんだ」
玄関に近づくにつれ、いつもそこにいる内宮紅季さんが見えてくる。
炎のような赤い頭、にも見える髪色。なんだっけ、洋服だとワインレッドっていうんだけど。そんな感じの色。
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