三.

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 そのことを知っている私たちは、鼓膜を守るためにこうやって着いたら耳に自分で栓をするようになった。  でも、そこを本人に見られるわけにいかないから、紅季さんがこっちを見るときにはさっきみたいに手をおろしておく。 「どうぞ!」 「はい。三木さん、鞄」 「かしこまりました」  貴重品とはいっても、携帯くらいしか入っていない小さな鞄を三木さんに預けると、靴を脱いでスリッパに履き替える。
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