レンアイカンジョウ

三．

　まだ若くて、確か五十三歳だったかな。十八歳で眞王さんが生まれたらしいから。

「お世話になります、紫王さん」

　私はペコリと頭を下げる。

　紫王さんは、年齢に反して見た目は全然若くて、まだ三十代にも見える。

　声だって、電話とかで聞いただけでは三十五歳の息子がいる父親だなんて思えない。

　お母さんといい、紫王さんといい、若いというか、見た目と年齢が結びつかない人がこの業界には多い。