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私の名字は一条、っていうことで、もう察しがついていると思うけど、一人娘である私は次期組長として期待されている。若頭というわけ。
お母さんの決めた許嫁もいる、ちょっと……いやだいぶ……少し。変わった、二十三歳の女の子。
「ありがとうございました、柚菜さん」
「どうも」
だから、私の名前も、顔も、一条組に関係のある人はよく知っている。この店員のようにね。
本来なら、店員に良くしてもらった私がありがとうございましたっていうところなんだけど。
そこは逆なのが、一条柚菜。
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