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「……柚菜さん。すみません、私は……敬語じゃないと話しにくくて」
「そんな言い訳しりません! 三木、帰るよ! 車!」
「えっ? 柚菜様、ちょっと!」
私はくるりと体の向きを変えて、三木さんに持ってもらっていた自分の鞄を取り上げて廊下へと出る。
「柚菜さん、待ってください!」
「待たない! もう知らない、許嫁も婚約も破棄!」
ついでに捨て台詞も吐きたいけど、いい人だから悪口が浮かばない。
えーと、なんだろ……髪の毛の色素薄いんだよ! とか?
いやそれは生まれつきなんだろうし、そうだったら本人にはどうにもできないしだめだ。
うん、仕方ない。捨て台詞はあきらめよう。
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