六.

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 私も、感情がごちゃごちゃになってて、その言葉に誘われるまま、紫王さんに抱きついた。  思ってたとおり、あつい胸板に顔をうずめるとあたたかくて、抱き心地も抜群だった。 「…………」 「……よくがんばったね」 「う……」  泣けたらいいのに。私の中の“一条”がやめなさいという。  弱さを見せてはいけないと。
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