六.

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「眞王のことは眞王さんって呼んでるんだっけ」 「はい」 「なら、二人のときは紫王って呼び捨てにして。練習しよう」 「練習?」  そうだよ、と紫王さんの唇が動いた。 「君が、眞王のことを呼び捨てにできるように練習。ほら、紫王って呼んで」  はじめての恋人は、眞王さんのはずだった。  一回り上の、やけに丁寧で、距離を保つ、不思議な雰囲気のある人。
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