六.

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「紫王」  それを聞いた紫王さんがフフ、とほほえんだ。  その笑い方すら、妖艶だった。着物のせいかな。夕陽のせい?  もう、なんでもいいか。 「よくできました」  距離が近いまま、そう微笑む。おもむろに、私の右頬へ顔を近づけた。
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