七.

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七.

「申し訳ありません、眞王様」 「いえ……悪いのは私なので」 「腕の方は大丈夫ですか?」 「はい」  私――紺之宮眞王は、許嫁の柚菜さんを怒らせてしまった。  スリッパを投げつけられて、ロボットかという捨て台詞も吐かれた。  ……そうだな。ロボットならまだ良かった。  感情がなくなれば、父をこえられない、という劣等感もなくなっていただろうか。
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