七.

3/22
前へ
/156ページ
次へ
 運転手の三木さんは、いつもは黙って柚菜さんのそばにいるのに、今日はこうして柚菜さんのフォローに一生懸命だ。  粗相をしてしまったと焦っているのかもしれない。 「はい。柚菜さんは、来月は無いと言っていましたが……、三木さん、説得して連れてきてくださいませんか」 「……え?」  私のお願いに、三木さんは片付ける手を止めた。 「中華料理。ご用意してお待ちしてますと、伝えてください」 「…………約束はできません」
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加