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「了解、その方がてっとり早いね」
和美は、クレーンが待機する場所に踵を返し、運転を始める。池の中に埋もれていた金属のゴミたちがガチャガチャとクレーンの鉄板に磁力で吸い寄せられていくが、どれも酷く錆び付いていたり、酷く泥がついていた。
絡まったハンガーの針金などもあり、危険なものも多い。
「カラスじゃな。頭がええけ、巣作りのために丈夫な木の枝を集めるんじゃが、ハンガーを選んだみたいじゃね。ゴミの分別はカラスやアリンコでもするんじゃが、ひとはせんかったらしい」
カラスは燃えないゴミと燃えるゴミを分別し、アリは巣の中にゴミ処理場を設け、そこでしかゴミを捨てない。トイレも一ヶ所しか作らないが、村のひとはなりふり構わずゴミを捨てて来たことが伺える。
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