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「ジョン……」
はにかみながら手を取ってくるジョンに、リディアは言葉を詰まらせる。
――知らなかった。ジョンが、自分に好意を抱いていたなんて……。デニスの気持ちすら知らないというのに。
「ありがとう、ジョン。これ、大切に使わせてもらうわ」
彼からの好意をどう受け止めればいいのかは分からないが、思いもよらない贈り物に対しては、リディアは素直に礼を言った。
――そこへ、デニスが戻ってきた。
「おーい、お待たせ! 宿決めてきたぞ……、お?」
彼はリディア達に声をかけたけれど、そのままその場を動けなくなる。
自分がいない間に何やらいい雰囲気になっている彼女とジョンは、さながら美男美女のカップルのようで。何だか、あの間に入っていくのが気まずく感じられたのだ。
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