皇女サマはお年頃

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「は? それだけで嬉しいのか?」 「嬉しいわよ。だってわたし、淋しかったんだもの。ジョンには何だか、距離を置かれているみたいに思ってたから」  そんな彼からの思いがけない贈り物。嬉しくないはずがない。 「リディア、まさかジョンのこと……」 「――え?」 「いや、何でもない。ああ、馬、預かっててくれてありがとな」  デニスの様子が何か変だ。馬の手綱を引きながら宿に向かう途中、リディアはずっと、首を傾げていたのだった――。
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