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入学以来、圭一郎と穂高は前評判通りの実力を遺憾なく発揮していた。
昨秋からは主戦として公式戦に登板し、二人揃って球速140キロ超を記録している。二年生ながら、三年生のエースとあわせて140キロトリオとかなんとか称されて、頻繁にメディアに取り上げられてもいる。既に今夏の地方大会も優勝候補だ。
ただ、冬の間に圭一郎が怪我をした。
症状自体は重いものではなかったが、調整は遅れた。おかげで、この春は県大会や関東大会では穂高の方が重用されていたと聞く。
ちょうどその辺りからだ、苗字呼びは。
そんな事を思い出しながら、拓真は買い出しに寄った購買から戻る途中、穂高のクラスに足を向けた。
ほんの… 気まぐれで。
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