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「わたしは焦り過ぎなのだろうか。トゥリトス国境が破壊された今、沢山の難民がイザックに押し寄せている……今回は奇跡的に何事もなく帰城できたが、この先私にもしもの事があったら、そう思ったらどうしてもデュオには厳しく言ってしまう……。そうなったら、この国や民はあの子が守っていかなければならないのだ。そればかり考える……確かに、デュオの言うとおりあの子はまだ子供なのに……」
「貴方は何も間違った事などしていないですわ。
デュオは貴方が留守にしている間も少々口が過ぎますのよ。口の悪さに伴い、日々勉学に励んでいたなんて全くの嘘ですわ。あの子の言う事に惑わされてはだめです。……それにしても、状況はそこまでお悪いのですね。イザックがそこまで危機的な状態だったなんて……疫病だなんて、この国に持ち込まれででもしたら……本当に恐ろしいわ、あなた」
「ああ、だからデュオには一刻も早く王の器を身に付けてもらわなければならない——」
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