君の声が聴きたくて。

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今日の一日の初めはいつもの様に検査から始まる。

耳が聞こえるかの検査をするが私の耳は相変わらず治る余地もない。

それが日常茶飯事になっていて特に驚きもなかった。

相変わらず何も聞こえない。

ベッドの上でぼーっと壁を眺めることしか私にはできない。

あっという間に一日は終わってまた新しい一日が始まる。

『今日は外に出てみる？』

＿＿え

ボードに書かれた文に驚いた。

私の表情を見て何を思ったのかを読み取ったのか、看護師さんはゆったりと口角を上げた。

その文を消して、また違う文を書き始める。

私はそれを呆然と眺めることしか出来なかった。

『外に出る』なんて言葉、ここに来てから1度も言われたことは無かった。