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そう書くと、彼女はパイプ椅子に荷物を下ろした。
『お母さん、優菜の合宿の手伝いをしてて来れなかったの』
__母親だ。
正真正銘の、血の繋がっている。
疲れた、と笑いながら言っている母親に対して何故か苛立ちを感じた。
優菜と言うのは私の妹で。
私を嫌っている。
スライド式のドアに目を向けると、壁に寄りかかってこちらを睨んでいる優菜の姿がある。
母親が優菜に対して何かを言っていて、それに対して怒ったような表情で返しているのが口の動きでわかった。
全てをわかっている訳では無い_ただ、私を嫌っているということは分かっている。
声が出ない姉が嫌いなのだろう、とは思ったこともあったけど、彼女はずっと私を毛嫌いしていた。
声が出ていた時も、口を開けば暴言ばかり。
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