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数多ある世界のひとつ。其処に存在するとある國。此処は、此の世界で最も莫大な領地を誇る国。名等改めてつけた事は無いが、他国は『日(ひ)の國』又は、『火(ひ)の國』と呼ぶそうな。そんな國の中心に、立派な天守を備えた白く美しい城が聳え立つ。華やかな城下町に住む人々は、其の美しい城が誇らしかった。
其の城へ仕える事が出来るのは、選ばれし血統を受け継ぐ者。でなければ、本の一握りの有能な者。一度此処へ入れた者は、男も女も知と美、運迄も掴み、持てる全てで生涯のうちに栄華を極めんと、ひたすら上を見上げるのだ。
時に、相手を踏み付け、又相手に打ちのめされ。全てを失う者も居れば、更なる栄光を握り、昇る者も居る。何の事は無い、掃いて捨てる程にある、ありふれた話。
此れも又其のひとつ。望もうと望むまいと、運命により放り込まれた世界で生きる命達の物語。
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