ウツクシキハナタチ。

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 日課も終え、膳を頂く時。沙羅があてがわれている部屋にて、沙羅と咲矢、そして志鶴も共にとる食事。因みに君主はと言うと、日々の食事は出来うる限り后妃と、其の子と共にとるのが慣習なもので。各部屋も、側室と其の子等の部屋では其々そんな風景がうかがえる。  広い部屋に並ぶ三つの膳。上に沙羅、僅かに下手に咲矢。更に離れて下には、志鶴。殺風景で、静かな食卓だ。 「母上、日々の鍛練なのですが」  先程迄、静かに箸を進めていた咲矢が口を開いた。其の表情は、何とも不機嫌に見える。沙羅は、静かに箸を置くと湯呑みを唇へ運ぶ。一口、頂く前に。 「又素振りを減らせとの交渉か」  呆れた様な声で、息子の確信を突いた。静かに茶を啜る沙羅は、咲矢を見ようともしない。咲矢は、一瞬声を躊躇うも。 「百もさせられていては、腕が疲れます」  分かっているならば、何とかして貰いたい。母へと物申す息子だが。 「志鶴が良いと言うなら、減らしても構わぬが」  此れだ。
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