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死んだ俺
突然だが、俺は幽霊である。
幽霊といっても色々種類があって、俺は真夜中、決まった場所にしか化けて出る事が出来ない、いわゆる地縛霊だ。
俺が化けて出る事が出来るのは、自殺したこの部屋だけ。
居場所を取られたくないから、この部屋に引っ越してきた住民を次々と怖がらせて追い出してきたが、今度の住民はなかなか手強い。
今度の住民は母と娘の親子2人。娘の方はまだ3歳だからなのか、昼間でも俺の姿が見えるようだ。
「ママ~
幽霊さん、またぶつぶつ言ってる~」
言ったそばから母親に告げ口だ。
そしてこの母親がまた変わっている。
「またぁ?
まぁでも幽霊さんのおかげでお家賃とっても安いんだし。
それに先に住んでたの幽霊さんだから大目に見てあげよ!」
このありさまである。
この母親全く霊感がないのか、はたまた忙しい日々を送ってるせいなのか、夜眠ると一切起きない。
何をしても全く起きない。
起きない事には怖がらせようがないので、こちらも対応に非常に困っている。
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