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しかし今日こそは、、と声をかけることに決めた。
大きく息を吸い込み一歩踏み出す。
「読むの早いね。毎日来てるよね?本、好きなの?」
「あぇ!?あ、うん! まあね。」
こちらを向いたあの子の顔はほんのり赤く、驚きの色が見えた。
何とか会話を繋ぐ。 ひとつひとつの仕草がとても可愛かった。
この時間が永遠に続けば良いのに!!
しかし虚しくも終わりの時間が来てしまった。
「あ、もう行かなきゃ。それじゃ私は此処で。」
やだなぁ、ずっと話していたいのに。ずっと、ずっと、
するとあの子はばっと立ち上がり走りながら
「じゃあ、また明日!!」と吐き捨てた。
嬉しい。明日も会ってくれるんだ。
この恋は、名前も知らないあの子を苦しめてしまうだろう。
それでももう少しだけ、、、あの子を想えたら。
私はどれだけ幸せだろうか。
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