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夏実は俺の『初恋』ーーー。
17年ぶりにやっとお前を見つけた。
まさか夏実が生徒の親だなんて
考えもしなかった。
でも当たり前か。あれから17年だもんな。
あの日が来る一週間前…
俺は親父と言い争った。
ーー何言ってんだよ…親父。
そんなの親父の都合だろ!
俺と夏実に関係ねえよ!
大人の都合で子供の人生変える気かよ!
この最低野郎!
ーー俺は夏実を探して二人で生きて行くよ!
ーー分かった。それなら勝手にせい!
ただし二度と桃田の敷居は
跨がせんからな!
過去のことがまるで昨日のことように思い出される。
ベッドに横になり
ベッド脇のテーブルに置いた
オレンジ色のキャンドルが
恋心をくすぐる中
桃子ちゃんから送られて来た写真を
何度も何度も眺めなおす。
そして長かった旅の終わりを噛みしめた。
別にどうなろうなんて考えてない。ただ夏実が今、幸せならばそれだけでいい。
本音を言ってしまえば
できることなら会いたかった…。
できれば抱きしめたかった…。
でもそれも俺のわがままだって分かってる。
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