桃の涙のわけ

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922350a4-5c19-434c-abfd-15e052859cbf 夏実は俺の『初恋』ーーー。 17年ぶりにやっとお前を見つけた。    まさか夏実が生徒の親だなんて           考えもしなかった。 でも当たり前か。あれから17年だもんな。 あの日が来る一週間前…         俺は親父と言い争った。 ーー何言ってんだよ…親父。       そんなの親父の都合だろ!       俺と夏実に関係ねえよ!    大人の都合で子供の人生変える気かよ!          この最低野郎! ーー俺は夏実を探して二人で生きて行くよ! ーー分かった。それなら勝手にせい!       ただし二度と桃田の敷居は         (また)がせんからな! 過去のことがまるで昨日のことように思い出される。 ベッドに横になり      ベッド脇のテーブルに置いた        オレンジ色のキャンドルが        恋心をくすぐる中 桃子ちゃんから送られて来た写真を         何度も何度も眺めなおす。 そして長かった旅の終わりを噛みしめた。  別にどうなろうなんて考えてない。ただ夏実が今、幸せならばそれだけでいい。 本音を言ってしまえば できることなら会いたかった…。 できれば抱きしめたかった…。 でもそれも俺のわがままだって分かってる。
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