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「分からない」
「でも…ママの気持ち、少し分かる気もする。女として生まれたんだから…自分の赤ちゃん産みたい気持ち」
「ちょっとは分かる」
「それから…女手ひとつで、いくつも仕事して育ててたらしい」
「そんなママに恋したのが今のパパで…ママと結婚した。そう聞いたよ」
あの日の夏実のようにずっと夜空を見上げてた桃子ちゃん。
瞳の中に溜まっていた涙を瞬きもせずに乾かしながら一言ボソッと呟いた誰に言うわけでもない言葉。
「やっぱりママって…」
「凄いんだ。アタシにはできないかも」
二人見上げた遠い空から粉雪が
ひとひらふたひら舞い始めた。
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