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「そして結局妻の葬儀にも僕は行かせてはもらえなかった。妻の両親に阻まれた。後から分かった。妻のお腹にはその時赤ちゃんがいた。それなのに…僕は…」
「そして妻が亡くなって半年して、帰ると家の中から妻の遺品全てが持ち去られていた」
「その夜、君に逢いに行き酔い潰れた」
「だから君さえ迷惑でなければ僕のそばにいて欲しい。その上で君が僕を認めてくれたなら結婚して欲しい。そしてその子を僕の娘として育てさせてくれないだろうか?」
最初の頃はそれまでの生活から比べれば天国の様な生活に幸せを感じてた。
ーーどうせ伊織さんの身代わり
そう思うこともあった。それでも健介さんはアタシにも桃子にも溢れんばかりの愛情を注いでくれた。
だから健介さんの愛情に応えたいと思った。
ただの身代わりではなく
彼の妻でいられることが
どれだけ有難くて
どれだけ幸せなことかが
素直に受け入れられるようになって…
それからは彼の愛情を
素直に喜べるようになった。
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