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後日談
その後、俺はサロンのHPを調べた。お世辞ではなく雰囲気の良いところだったから、また行ければと思ってはいたのだが。
「…高っ」
しかし、通常料金が思ったより高めで、再度の来店は断念しそうになった。
田中くんからもらった名刺をよく見ると、裏にQRコードが載っていた。読み取ると、彼個人のメッセージアプリに繋がった。今後使うことがないにしろ、ひとまず彼にお礼のメッセージを送っておいた。
すると、早めに返信が来た。
『ありがとうございます!お時間かかって申し訳ございませんでした。丁寧かつスピーディな対応を目指します!もし今後、僕指名でしたら割引をさせていただきます!』
そう言われ、少し心が動いてしまう自分もいた。
つむじを暴かれたからだろうか。俺の中の何かが、つむじから渦を巻いて立ち昇りはじめたのかもしれない。
ここから徐々に、俺の人生が変わりつつあった。
〈第一章 終〉
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